映画に感謝を捧ぐ! 「血の儀式」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はピーター・コーンウェル監督の「血の儀式」に
感謝を捧げようと思います。
スティーブン・キングの小説「おばあちゃん」を
もとにして作られた本作は
スリム且つ奇襲的なホラー映画であります。
ホームドラマ→悪魔系ホラーという流れ
状況説明&キャラクター数の抑制
残酷描写の段階的強化によって
暇つぶし規模のスケール感を保ちつつ
哀愁・謎解き・怪奇恐怖の入り交じった
作品にしようという試みは
私に、殺人を避けながら怪奇恐怖を
盛り上げていく事の難しさと
「家族愛」の光と闇をホラー的に表現する手法を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(教訓劇的なハッピー・エンドを
「説明の抑制」によって嫌な後味を感じさせる
幕切れへと変化させている点も見逃せません。)
まさに「家族劇系アトラクション・ホラー」と
呼びたくなる作品であると言えるでしょう。
H・P・ラヴクラフト要素と
ホラー映画を形成する「材料」を闇鍋的に詰め込み
論理性偽を向け、謎解きをそぎ落とし
勢い任せに突き進んでいるにもかかわらず
独特の哀しみ・優しさ・残虐性をもった作品となっている点に
驚かされる本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。