映画に感謝を捧ぐ! 「ミカドロイド」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は原口智生監督の「ミカドロイド」に  感謝を捧げようと思います。 第2次大戦期の日本軍によって行われた  「人造人間計画」がもたらす悲劇を描いた本作は  アニメと実写の関係を象徴するSF映画であります。  アニメ的魅力に溢れたメカ・舞台造形&設定  ホラー的シチュエーション&残酷描写  細部を省略しつつ  緩やかに進行していく物語が一体となる光景は  私に「アニメ的着想」を実写的に表現することの難しさと  「アイデア」を素材のまま出すことによって生じる作劇的悲劇を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (悲劇性と同性愛要素の入り交じった  哀しくも味わい深い幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「空間限定ホラー風和製SF映画」と呼びたくなる珍作であると言えるでしょう。  特撮的要所だけを押さえたスリムなストー理0展開  反戦要素・陰鬱な映像という組み合わせによって  後年のTVアニメに対する道しるべ兼  「アニメ&漫画の実写版」に対する警鐘となった本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!!。