映画に感謝を捧ぐ! 「愛しのタチアナ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアキ・カウリスマキ監督の「愛しのタチアナ」に  感謝を捧げようと思います。  男女4人の奇妙な旅を描いた本作は  クールな佇まいの中に「人情」を宿す道中劇であります。  娯楽的盛り上げや状況説明台詞を極限まで抑制しながらも  人間味&ドラマ性を感じさせるストーリー&演出  兼ね備えたストーリー&演出  文学的ムードと生活感に溢れたキャラクター  軽快な挿入曲&上品な音楽が一体となる光景は  私に「会話&浮世離れした熱演」に依存しない人間模様の醍醐味  日常風景&人生のドラマ性  言葉よりも「映像」で語る映画の魅力を  満喫する機会をもたらしました。  (ハッピー・エンドにも悲劇にも与さない穏やかな幕切れが  人生の奥深さ&家族の絆を静かに語るかのような  気配を放っている点も見逃せません。)  まさに「純文学系道中劇」の雄と呼ぶにふさわしい  一作であると言えるでしょう。  不器用でありながらも美しい「愛」と  劇的なエピソードに頼ることなく強まっていく「絆」が  静かなる感動と癒しを呼び起こす本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。