映画に感謝を捧ぐ! 「県警対組織暴力」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は深作欣二監督の「県警対組織暴力」に  感謝を捧げようと思います。
県警対組織暴力 [DVD]
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
2015-03-13

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 県警対組織暴力 [DVD] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル
 暴力団幹部と友情で結ばれた刑事と  彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は  凄まじいほどに暴力的な風刺精神&  仏教的社会観に彩られた  異色の警察映画であります。  男気溢れる「人情系の腐敗」が  正義&法律を隠れ蓑とする「商業系の悪徳」に  酔って破壊されていく姿を通じて  第2位事態戦後の日本における  「高度成長」の内幕が写し出されていく光景は  私に、愛憎渦巻く「男性関係」の苦味  我々が潜在的に抱える「罪」の存在  「正義」を旗印とする人間が陥りがちな  狂気を目の当たりにする機会をもたらしました。  (表面的な「清廉さ」を身に纏う成功者と  立場を越えて結ばれた「絆」を失い  見えざる力によって葬られた男の姿が  我々の世界に漂う「腐臭」を  鮮明化する幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに東映的娯楽精神が生んだ  悪徳博覧会&暴力的社会論であると言えるでしょう。  「仁義なき戦い」で名を成した人々が  警察側の目線に立って  「闇の昭和史」を描いた本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。