映画に感謝を捧ぐ! 「県警対組織暴力」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は深作欣二監督の「県警対組織暴力」に
感謝を捧げようと思います。
暴力団幹部と友情で結ばれた刑事と
彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は
凄まじいほどに暴力的な風刺精神&
仏教的社会観に彩られた
異色の警察映画であります。
男気溢れる「人情系の腐敗」が
正義&法律を隠れ蓑とする「商業系の悪徳」に
酔って破壊されていく姿を通じて
第2位事態戦後の日本における
「高度成長」の内幕が写し出されていく光景は
私に、愛憎渦巻く「男性関係」の苦味
我々が潜在的に抱える「罪」の存在
「正義」を旗印とする人間が陥りがちな
狂気を目の当たりにする機会をもたらしました。
(表面的な「清廉さ」を身に纏う成功者と
立場を越えて結ばれた「絆」を失い
見えざる力によって葬られた男の姿が
我々の世界に漂う「腐臭」を
鮮明化する幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに東映的娯楽精神が生んだ
悪徳博覧会&暴力的社会論であると言えるでしょう。
「仁義なき戦い」で名を成した人々が
警察側の目線に立って
「闇の昭和史」を描いた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。