映画に感謝を捧ぐ! 「怒りの夜明け」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はティム・ウィーラン監督の「怒りの夜明け」に  感謝を捧げようと思います。 強盗団「リノ兄弟」の伝説をもとにして作られた本作は  後年のアクション映画に通じる空気を感じさせる  実話系西部劇であります。  勧善懲悪西部劇の王道に即しつつ  強盗団の人間模様・潜入捜査官の宿命  政治腐敗&大衆心理に対する警鐘を重視したストーリーと  娯楽西部劇のルールに沿ったアクション・シーンが  一体となる光景は  私に「西部劇と犯罪映画の平和的共存」の一形態と  秩序・人情・正義漢のバランスを保つことの難しさを  目の当たりにする機会をもたらしました。  (ハッピー・エンドの形態を取りながらも  空しさを感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「極道映画風西部劇」の静かなる強豪作であると  言えるでしょう。  強盗団&腐敗権力を人間味溢れるキャラクターとして描き  他の西部劇では軽視されがちな「一般人」を  後半の要とすることによって  娯楽西部劇の衣を纏いながら  「勧善懲悪」の持つ危険性をえぐり出すという  離れ業を可能にした本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。