映画に感謝を捧ぐ! 「早春物語」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。    今回は澤井信一郎監督の「早春物語」に  感謝を捧げようと思います。   赤川次郎の同名小説をもとにして作られた本作は  アイドル映画的甘味の中に「妖気」を宿す恋愛映画であります。  格差恋愛映画&青春映画の方程式に  即して進行するストーリー展開に  因縁系ホラー要素を組み込むことによって  ロマンティックでありながらも不気味な雰囲気に包まれた世界が    形成されていく現象は  私に「純愛と狂気は紙一重の位置にある」という法則と  サスペンスとラブストーリーを結ぶ「絆」の存在を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (西部劇と恋愛悲劇を融合させたかのような  表現法を用いた「決着」となっている点も見逃せません。)  まさに、推理小説と恋愛小説の気風が交わる事によって生を受けた  「怪談入り青春映画」であると言えるでしょう。  角川映画赤川次郎の持ち味と  背徳的ムードを巧みに抑制し  口当たりの良い作品に仕立て上げる映像技によって  1980年代を彩るアイドル映画の一つとなった本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。