映画に感謝を捧ぐ! 「怪談 鬼火の沼」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は加戸敏監督の「怪談 鬼火の沼」に  感謝を捧げようと思います。  将軍家に仕える茶坊主「宗伯」と  彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は  多彩な顔を持った時代劇映画であります。  一本の時代劇映画において  社会派・サスペンス・ホラーのストーリー&演出が  二転三転していく光景は  私に「時代劇映画」の持つ懐深さの一端と  怪奇恐怖が人間の「悪心&恐怖心」から生じる存在であることを  目の当たりにする機会をもたらしました。  (仇討ち映画的決着の後に  不気味な余韻を残す幕切れへと着地している点も見逃せません。)  まさに「ジャンル融合型怪談」史上屈指の技巧と  妖気を感じさせる作品であると言えるでしょう。    怪奇映画とは異なる「不気味さ」を放つ俳優・女優陣  怪談と陰謀劇のムードを兼ね備えた映像  悪人よりも善人が「悲劇的運命」をたどる物語が  互いの持ち味を損なうことなく共存する本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。