映画に感謝を捧ぐ! 「ランデヴー」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアンドレ・テシネ監督の「ランデヴー」に  感謝を捧げようと思います。  舞台女優「ニナ」と彼女を取り巻く人々の  運命を描いた本作は  官能と妖気に包まれた恋愛映画であります。  気まぐれに振る舞いながらも「愛」を求めるヒロインと  野性的な愛の赴くままに生きる男たちが織りなす背徳的日常を  文学性・ポルノ性・舞台性を融合させながら描くという試みは  私に愛の複雑怪奇さと  性描写をエロティック且つ上品に見せる妙技を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (「娯楽的盛り上げ」に背を向けた静けさの中に  ホラー的不気味さを感じさせる幕切れとなっている点も  見逃せません。)  本作こそ「陰鬱系恋愛劇」史上屈指の難解さと  男性不信的ムードを感じさせる作品であると言えるでしょう。  説明台詞の抑制、感情移入を拒むかのようなキャラクター  「サスペンス・ホラー要素」を交わることによって  青春+ポルノ映画的な世界が    純文学的世界へと変異していく姿に驚かされる本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。