映画に感謝を捧ぐ! 「血を吸う薔薇」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は山本迪夫監督の「血を吸う薔薇」に  感謝を捧げようと思います。 山本迪夫監督による「血を吸うシリーズ」の  3作目となる本作は  空間と娯楽要素の関係を的確に突いた  和製吸血鬼映画であります。  「全寮制女学校」という舞台の特性  山奥の持つ地形効果・ゾンビ映画的怪演&メイクによって  サスペンス・ホラー・青春映画の持ち味が  バランス良く配合された恐怖が生成されていく光景は  私に、怪奇映画における「地の利を生かすこと」の大切さと  スケール感を抑制することによって  スリル&サスペンスが深まっていく快感を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (怪奇的でありながらも「恋愛悲劇」の香りを感じさせる  味わい深い幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「閉鎖系モンスター映画」の雄と呼ぶにふさわしい  一作であると言えるでしょう。  西洋ホラーの技法・怪談の醍醐味  探偵小説的ムード・上品なエロティシズムがバランス良く共存する本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。