映画に感謝を捧ぐ! 「ランニング・マン」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジェフ・ロビンソン&ケイシー・トゥエンター監督の  「ランニング・マン」に感謝を捧げようと思います。   夜の山道で追われる身となった男  「ポール」の運命を描いた本作は  時間旅行SF・家族劇・怪奇恐怖が  奇妙なバランスで共存する「巻き込まれ映画」であります。  時系列を二転三転させながら  陰鬱系日常劇と逃亡劇の世界を  繋げる事によって  主人公を襲う「敵」の正体に迫っていくという手法は  私に「どんでん返し」の快感を弱めるほどの  説明的映像表現によって  心と体の複雑且つ密接な関係を  犯罪映画的な技法で写し出すという実験的試みを  目の当たりにする機会をもたらしました。  (倫理観にストレス&絶望感を加えることによる  「化学反応」の行き着く先を  猟奇的な形で体現して幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「日常系サスペンス」の一翼を担う  作品であると言えるでしょう。  1993年の映画「フォーリング・ダウン」を継承しつつ  より絶望的&悲劇的な領域へと踏み込んだ本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。