映画に感謝を捧ぐ! 「花笠若衆」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回は佐伯清監督の「花笠若衆」に
感謝を捧げようと思います。
加藤喜美恵の同名原作をもとにして作られた本作は
美空ひばり陣営&東映スターシステムの名チームによる
素朴にして緻密なサービス精神が心地良い時代劇映画であります。
物語&人間模様を極限まで図式化&単純化し
挿入曲&主人公の魅力を前面に出していくストーリー展開&映像技
スター中心主義に徹したアクションによって
美空ひばり&大川橋蔵の魅力をもり立てていく
東映時代劇的サービス精神は
私に「ストーリー」を追うことに気を取られず
スターに集中できるよう配慮された作劇法の効能と
勧善懲悪の基本線を乱さない範囲で「江戸時代の暗部」を組み込むことによって
歴史に対する興味を誘発しようという教育的戦術を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(コンサート風に演出された幕切れによって
娯楽的高揚感を保ちながら劇場を後にできるよう
配慮されている点も見逃せません。)
まさに「ミュージカル時代劇」の歴史に輝く
爽快作であると言えるでしょう。
正統派時代劇の伝統芸と
後年のアイドル映画&MTV映画に通じる技法が融合した本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。