映画に感謝を捧ぐ! 「トールマン」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はパスカル・ロジェ監督の「トールマン」に
感謝を捧げようと思います。
ワシントン州の小さな町「コールド・ロック」で巻き起こる
怪事件を描いた本作は
逆転の発想と怪奇的技法に彩られた
サスペンス映画であります。
小さな町を舞台にしたサスペンス&ホラーの
定番に即した演出法と
サスペンス&ホラーの図式を逆手に取ったストーリー展開を
融合させることによって
肩すかし的且つ強引でありながら
無理矢理感をほとんど感じない物語が生成されていくという怪現象は
私に「先入観」を打ち破られる楽しさと
「死」に依存することなくスリル・サスペンス・猟奇的ムードを
盛り上げていく技法の一端を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(能天気なハッピー・エンドに逃避せず
「犠牲」となった人々の思い&罪悪感に向き合う
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに、残酷にして情のある
異色の「閉鎖系サスペンス」であると言えるでしょう。
社会派的恐怖とモンスター映画的恐怖が
奇妙なバランスで共存する本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。