映画に感謝を捧ぐ! 「コストニツェ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はヤン・シュヴァンクマイエル監督の「コストニツェ」に
感謝を捧げようと思います。
納骨堂「コストニツェ・セドレス」の歴史を描いた本作は
観光旅行映画気分・ホラー映画級の怪奇・史劇の苦味を兼ね備えた
世にも過激なドキュメンタリー映画であります。
不気味なまでに芸術的な「遺骨」と
淡々としながらも情のある「説明」が醸し出す
背徳的な美しさと静かなる妖気は
私に、人類史の暗黒面・静かなる挑戦者精神
芸術に身を捧げた人々のエネルギー&狂気
クールさの中に「死者への敬意」を秘めた
人間の姿をのぞき見る感覚をもたらしました。
(「歴史遺産」を守り抜くこと&観光地でマナーを守らせることの
難しさを象徴する幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「陰鬱系歴史旅行映画」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。
美術鑑賞と歴史探訪を兼ね備えた「聖域の旅」が
人間社会の闇を写し出す本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。