映画に感謝を捧ぐ! 「388」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はランドール・コール監督の「388」に  感謝を捧げようと思います。
388 [DVD]
アルバトロス
2013-02-02

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 アレッタ通り388番地の一軒家に住む  夫婦の運命を描いた本作は  静かなる残酷趣味と社会派的怪奇恐怖に  彩られた「巻き込まれ映画」であります。  娯楽的スリル&サスペンスよりも主人公の精神崩壊に重きを置いたストーリー  疑似実録的表現法によって「覗き感覚」を保ち続ける映像  ロマンティックな挿入歌を「恐怖を高める要素」として  活用する手法が一体となる光景は    私に「段階的に凶暴化していく&実態がつかめない」事が  恐怖の根源であるという教えと  「ストーカー」感覚で登場人物を見つめる感覚に    接する機会をもたらしました。  (誤解の連鎖によって形成された「決着」と  犯人の実態を曖昧化したまま「次の犯行」を匂わせる幕切れによって  「凶悪犯罪の共犯者」を擬似的に体験する機会を  もたらしている点も見逃せません。)  本作こそ、巻き込まれサスペンスの伝統と  2010年代の映画技法が生んだ  「ストーキング・サスペンス」であると言えるでしょう。  映像テクノロジーの発展が生んだ「匿名型犯罪」を  「裏窓」の流れを汲む手法で描くことによって  怪奇恐怖&怪獣映画とは異なる形の「モンスター映画」となった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。