映画に感謝を捧ぐ! 「デススポーツ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はヘンリー・スソ&アラン・アーカッシュ監督の  「デススポーツ」に感謝を捧げようと思います。  1975年の映画「デスレース2000年」の  流れを汲む本作は  大衆食堂の味と文学性が入り交じった  奇妙なSF映画であります。  暴力・お色気・反権力を網羅しつつ  TVゲーム感覚を先取りしたストーリー&演出  漫画的魅力に溢れたメカの数々  高額のセットに依存することなく  荒廃した世界を表現した舞台  東西文化とSF要素が絶妙に絡み合うアクション・シーン  自由を重んじながら共同戦線を張る主人公チームと  劣等感&恐怖心より生じる残虐性を振りかざす敵将という図式が  一体となる光景は  私に「凶悪でありながらも和やかなバイオレンス」の味わいと  暇つぶし規模のスケール感と哲学性が融合する現象を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (西部劇と時代劇の持ち味を兼ね備えた  贅沢な幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「殺人遊戯系SF映画」の歴史に輝く    珍味であると言えるでしょう。  主演男優D・キャラダインの豪快な肉体  1970~80年代を彩る悪役俳優R・リンチの妖気  R・コーマン流サービス精神&作家精神  東洋文化に対する思い入れ  SF映画時代への複雑な思い  肉体&バイクへの愛に彩られた本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。