映画に感謝を捧ぐ! 「アースフォール」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はスティーヴン・ダニエルズ監督の「アースフォール」に
感謝を捧げようと思います。
浮遊惑星の接近がもたらした
地球滅亡の危機を描いた本作は
凄まじいほどの安定感に心癒される
災害系SF映画であります。
「地球の横転」という奇抜な着想
娯楽的スリル&ヒーロー的活躍を抑制しながら進行するストーリー
災害映画にありがちな状況と
作り物感溢れるCGによって生成された映像
家族主義&他力本願風味満載の主人公
場当たり的な行動に徹する悪役が一体となることによって
地球規模の危機が和やかに進行していく光景は
私に「スケール感の抑制&危機の緩慢化」がもたらす癒し効果と
アメリカ流娯楽精神の一端を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「権力者=悪」という法則を逆手に取っている点と
結論を曖昧化しながらも「ハッピー・エンド」の形態を取る大胆さに
驚かされる作品であるという点も見逃せません。)
まさに「軽量アトラクション・パニック・ムービー」の
称号にふさわしい珍作であると言えるでしょう。
個人的活躍よりも「組織」によって
危機に対処する合理主義と
地球の危機よりも「家族の安否」にこだわる庶民的発想が
融合することによって
浮世離れした危機に「現実感」が発生するという
怪現象に遭遇させてくれる作品の1つである本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。