映画に感謝を捧ぐ! 「ナチス・オブ・ザ・デッド」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はマシュー・オークス監督の「ナチス・オブ・ザ・デッド」に  感謝を捧げようと思います。    ナチスの黄金を求めて地下壕に潜入した男の    運命を描いた本作は  疑似実録映画史上屈指の「珍作ぶり」を誇る  ドイツ映画であります。  ナチス・ゾンビ・エイリアン・米軍を  豪快につなぎ合わせたストーリー  凄まじいほどの「能天気さ」によって狂気の領域に達した主人公  TVゲーム風味漂う戦闘場面が一体となる光景は  私に、映画界における「ナチス」の万能ぶり  TVゲーム&インターネット世代特有の暴力性  人間の持つ「環境適合力」の凄まじさ  ドイツ人の「ナチス」に対する目線の変化  残酷さと滑稽さの近似性を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (ホラー映画の定番的幕切れ→能天気な前日譚という流れが  ブラック・ユーモア性を強化している点も見逃せません。)  まさに「疑似実録系冒険ゾンビ映画」の歴史に蠢く  怪物的作品であると言えるでしょう。  軽量娯楽映画にありがちな要素を詰め込んだ結果    混沌と化した物語と  凄まじいほどの「既視感&省力感」に満ちた映像が  「突っ込みポイント探し」によって能を活性化させ  軽量ゾンビ映画に対する「寛容さ」を鍛え  ダーティーな笑いに満ちた時間を与えてくれる本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。