映画に感謝を捧ぐ! 「レベル15」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はポール・タンター監督の「レベル15」に
感謝を捧げようと思います。
首相の娘を誘拐したテロ集団に立ち向かう
英国特殊部隊「SAS」の運命を描いた本作は
コンパクトにして変化球的なテロ対策映画であります。
物語的装飾を最小限度にとどめ
見せたいポイントに集中させる堅実さと
集団戦から「ヒーローの武勇伝」へと
変化していく奇抜さを兼ね備えたストーリー
残酷でありながらも紳士的であろうとする敵将
室内戦闘の定番を着実に押さえたアクション・シーンが
一体となる光景は
私に人間模様を抑制し、登場人物を段階的に減らす事によって
「物語のスリム化」を図る手法と
人々が「テロリスト」に抱くイメージを
逆手に取った犯罪計画の有り様を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(論理性や地理的事情を気にしない豪快さと
速やかに勝負を付け、空撮を走ることによって
「突っ込み所」を覆い隠す知略を
兼ね備えた決着の付け方となっている点も見逃せません。)
まさに「アクション系クリスマス映画」史上屈指の堅実さと
学習精神を持った作品であると言えるでしょう。
1980年代を彩るテロ対策映画「ダイ・ハード」の技法
暇つぶし規模のスケール感を保ち続ける謙虚さ&サービス精神
イギリス的紳士性&暴力性が
融合することによって生を受けた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。