映画に感謝を捧ぐ! 「クリムゾン・アイランド」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はデヴィッド・ヒレンブランド&スコット・ヒレンブランド監督の  「クリムゾン・アイランド」に感謝を捧げようと思います。  離れ小島でのキャンプ中にモンスターの封印を解いてしまった  大学生一行の運命を描いた本作は  素朴さの中に戦術性を感じさせるモンスター映画であります。  ホラー映画の定番に従って行動する人間達  愛嬌のあるモンスター・安物感満載の映像表現を  神秘性のある設定&情緒を抑制した軽やかなストーリー展開で  補強するという手法は  私に映画の持つ「総合芸術性」の一端と  即物的な残酷さ&お色気が「ある種の親近感」に  繋がる現象を目の当たりにする機会をもたらしました。  (ハッタリ力に満ちあふれた邦題  論理性よりも「ハッピー・エンド」にこだわった決着の付け方  ハッピー・エンドでありながらも不安要素を感じさせる幕切れが  軽量娯楽映画界の「本能」を体現している点も見逃せません。)  まさに「暇つぶし系モンスター映画」の入門書と  呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。  アクション・ホラー・SFのシチュエーションを使い分けながら  数に勝る人間達と闘う怪物「ビニャータ」の勇姿が  ヒーローと悪役の近似性と  少数で多勢を苦しめることの醍醐味をえぐり出す本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。