映画に感謝を捧ぐ! 「ガス人間第一号」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は本多猪四郎監督の「ガス人間第一号」に  感謝を捧げようと思います。   奇怪な連続強盗事件に関わる人々の  運命を描いた本作は  東洋文化と特撮の技がバランス良く配合された  日本製モンスター映画であります。  モンスターの純情&狂気・科学の暗黒面  現実感溢れるマスコミ&警察の対応が融合することによって  荒唐無稽でありながらも説得力を感じさせるストーリーと  漫画的アイデアを実写的に表現することを可能にする特撮技術が  一体となる光景は  私に「哀愁」によって怪奇恐怖を深まっていく現象と  西洋的モンスター文化と東洋的情緒の平和的共存を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (「無理心中」の香り漂う決着が  アメリカ映画的ハッピー・エンドとは一味違う  苦くも美しい味わいをもたらしている点も見逃せません。)  まさに「SF系怪談」の雄と呼ぶにふさわしい作品であると言えるでしょう。    凶悪でありながらも紳士的&愛情深い「ガス人間」の勇姿と  犯罪の間接被害・伝統文化を守ることの難しさに対する目線が  モンスター映画の枠を越えた輝きを放つ本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。