映画に感謝を捧ぐ! 「エンカウンターズ ー侵略ー」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアンダース・ヨハネス・ブック監督の
「エンカウンターズ ー侵略ー」に感謝を捧げようと思います。
映画撮影のため山中に入った男女を襲う
怪異を描いた本作は
外見以上の教訓性を感じさせる
北欧製疑似実録映画であります。
舞台裏映画→災害映画→SFへと
変異していくストーリーと
娯楽的盛り上げ&明瞭さを抑制した
不安定且つクールな映像が一体となる光景は
私に、他者の不幸を「題材」として見てしまう映画人の宿命と
地球侵略SFにおいて「恐怖をかき立てる素材」の一つとして処理される
人々を「物語の中心」として描く手法の一端を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「敵」の正体を不明瞭にしたまま写し出される
世界各地の映像によって
不吉さをかき立てる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「疑似実録系映画論」の一翼を担う怪作であると言えるでしょう。
ホラー・サスペンス・SF映画の定番要素と
北欧ムード溢れる風景が融合し
アメリカ製疑似実録映画とは一味違う陰鬱さを放つ作品となった本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。