映画に感謝を捧ぐ! 「昨日にさようなら」

 あけましておめでとうございます。  映画弁護人GHM(西村哲也)です。  2016年初となる今回は  アルヴィン・ラコフ監督の「昨日にさようなら」に    感謝を捧げようと思います。
昨日にさようなら LBX-806 [DVD]
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2015-01-30

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 電車内で出会った人妻と青年の  奇妙な1日を描いた本作は  娯楽戦術的作風に彩られた恋愛劇であります。  ほら吹き&ストーカー的でありながらも繊細さを感じさせる青年と  美しさの中に「苛立ち」を感じさせる女性の交流を  観光旅行映画&青春映画の映像技・ロンドンの風景  美しい挿入曲・上品さとユーモアを兼ね備えた俳優・女優陣を  駆使して描くことによって  倫理的&論理的に無理のある男女関係が  幻想美と現実の苦味を兼ね備えた純愛劇へと変化していく光景は  私に、恋愛映画における「雰囲気作り」の大切さと  純情と狂気の近似性&相違点を目の当たりにする機会をもたらしました。  (能天気なハッピー・エンドに背を向けて  哀愁と希望が入り交じった  味わい深い幕切れと着地している点も  見逃せません。)   まさに「童話系格差恋愛劇」の雄と呼ぶにふさわしい  作品であると言えるでしょう。  アイドル映画的なキャラクター造形  状況説明を極限まで抑制する合理性と  スピード感と品格の均整を保つバランス感覚によって  「1日」のスケール感・日常のドラマ性  倫理と情熱のせめぎ合いを写し出した本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。  追伸 今年も「西村哲也の弁護系映画論」を  よろしくお願いします。