映画に感謝を捧ぐ! 「ゾンビーバー」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョーダン・ルービン監督の「ゾンビーバー」に
感謝を捧げようと思います。
キャンプ中に凶暴化したビーバーの襲撃を受けた
男女6人の運命を描いた本作は
対称的な要素が味わい深く絡み合うモンスター映画であります。
駄洒落のようなアイデア・軽薄極まる人間達
怪奇恐怖よりも見世物感の強い残酷描写
ユーモラスなモンスター造形を
段階的に混沌化するストーリー展開を徹底することによって
モンスター・パニックを「ブラック・コメディ」へと変化させるという試みは
私に、残酷さと滑稽さ・自己防衛と虐殺の近似性と
崩壊していくストーリーが名作とは異なる「輝き」を放つ現象を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(エンドロールが終わるまで悪趣味力を保ち続ける
タフな作品であるという点も見逃せません。)
まさに「ギャグ漫画系モンスター・コメディ」史上屈指の
珍作であると言えるでしょう。
ビーバーの特性を生かす知恵
NG集&テーマソングで本編をからかう大胆さ
登場人物の死&悲劇的結末を喜劇的に表現する技巧
性欲&能天気さに溢れた人間模様が
時間と共に背徳的快感へと繋がっていく本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。