映画に感謝を捧ぐ! 「セイビング・ジェシカ・リンチ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はピーター・マークル監督の
「セイビング・ジェシカ・リンチ」に感謝を捧げようと思います。
2003年のイラクで行われた
米軍の極秘作戦をもとにして作られた本作は
1968年の映画「グリーンベレー」の流れを汲む
反面教師的な作品であります。
アメリカ礼賛系戦争映画&アクション映画的ご都合主義特有の
胡散臭さ&滑稽さと
竜頭蛇尾的なストーリー展開から発せられる
「作り手の作品に対する疑念」が一体となる光景は
私に「実話系映画&正義漢」の持つ危険要素と
娯楽的爽快感と現実的戦術が両立しがたい存在であることを
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「ハッピー・エンド」な部分を前面に押し出した幕切れが
情報戦術の一端を示している点も見逃せません。)
本作こそ、鑑賞者の精神力・判断力・観察力を試すために生を受けた
「疑似実話系戦争映画」であると言えるでしょう。
一般市民が「戦場」で生き残るための知略
娯楽作品の持つ宣伝効果・2000年代のアメリカ外交事情
客観的目線を「歴史」を見つめることの難しさを象徴する本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。