映画に感謝を捧ぐ! 「ガンスリンガーの復讐」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジョバンニ・ヴェロネージ監督の「ガンスリンガーの復讐」に  感謝を捧げようと思います。  山沿いの町で暮らす医者一家と  彼らを取り巻く人々の運命を描いた本作は  対称的な要素がバランス良く配合された西部劇であります。  家族劇から「任侠&ガンアクション」へと  段階的に移行していくストーリー  素朴な風景・血生臭い銃撃戦  庶民的ムード溢れる主人公一家&村人達と不気味な風貌の悪役陣が  一堂に会する光景は    私に「西部開拓時代の流儀と平和主義のせめぎ合い」と  相反する物語がぶつかり合うことによる化学反応の一形態を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (L・ピエラッチョーニ、H・カイテル、D・ボウイの  特性を生かしたキャスティングが成されている点  西部劇の定番をブラック・ユーモア的に加工した「決着」  青春映画の香り漂う幕切れが  他の勧善懲悪西部劇とは異なる詩情を放っている点も見逃せません。)  まさに「ホームドラマ系西部劇」の静かなる強豪作で  あると言えるでしょう。  暴力渦巻く世界に生きる人間の宿命と  正義と平和を並び立たせることの難しさを  硬軟のバランス感覚を保ちながら描くことに挑んだ本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。