映画に感謝を捧ぐ! 「ラスト・デイズ・オン・アース」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はジョセフ・ベイカー&トム・ラージ監督の「ラスト・デイズ・オン・アース」に    感謝を捧げようと思います。  謎の侵略者によって荒廃した世界を彷徨う  男女2人の運命を描いた本作は  壮絶なる奇抜さとクールさが共存するSF映画であります。  「恋愛模様と冒険の旅を交互に進行させる」作劇法と  「状況説明を極限まで抑制しながら、時系列を前後させる」演出法  「娯楽的盛り上げ」に背を向ける精神が融合することによって  地球侵略SFの一形態から  ジャンルの壁を超越した怪物的作品へと変異していく光景は  私に「娯楽的想像力」の奥深さ・危機が人間関係に与える学習効果  鑑賞者の「先入観」を静かに裏切る妙技を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (謎を解明するのではなく  「愛によって謎を粉砕する」事によって発生するハッピー・エンドが  娯楽映画界における愛の万能性と  サスペンス映画における「解答作り」の難しさを体現している点も  見逃せません。)  本作こそ「ジャンル放浪型恋愛映画」と呼びたくなる  世紀の珍作であると言えるでしょう。  娯楽映画的ハッタリ精神・どんでん返し至上主義  恋愛要素へのこだわり・状況説明への嫌悪感が  穏やかに暴走する本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。