映画に感謝を捧ぐ! 「さよならジュピター」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は橋本幸治監督の「さよならジュピター」に  感謝を捧げようと思います。  小松左京の同名小説を  彼自身の脚色によって映画化した本作は  異業種制作者&脚本家ならではのパワーが  特殊な感動を呼び起こす  珍作SFの雄であります。  英語と日本語で交わされる会話  特殊効果を駆使した性描写  CM的&MTV的シーンの豪快なる挿入  序盤に提示された謎を気にすることなく  人類滅亡の危機へと誘うストーリー  漫画的メカ・説明字幕の嵐  1970年代風味満載の環境保護団体が    バランス感覚を気にすることなく暴れ回る光景は  私に「作り手の愛情&意図」が暴走することによって生じる  映画的化学反応の一端  「突っ込み」が大作系SF映画を楽しむ方法の  一つであるという真理  情報過多が映画にもたらす混乱を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (哀愁の中に突っ込み所を隠し持つ  味わい深い幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「壮大なるボケ役SF映画」と呼びたくなる  一作であると言えるでしょう。  日本映画史に残るSF作家  小松左京氏の大いなる発想力と  東宝系制作会社が誇る特撮技術が融合し  台風の如く荒れ狂う姿が  時間と共に心地良さへと繋がっていく本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。