映画に感謝を捧ぐ! 「聖バレンタインの虐殺 マシンガン・シティ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はロジャー・コーマン監督の「聖バレンタインの虐殺 マシンガン・シティ」に  感謝を捧げようと思います。 1929年2月14日のシカゴで発生した襲撃事件  「聖バレンタインの虐殺」をもとにして作られた本作は  大衆食堂の味と大作志向が共存する  実話系極道映画であります。  R・コーマン関連作特有の「誇り高き俗物性」と  ハリウッド製極道映画の伝統が融合することによって  バイオレンス・エロティシズム・上品さが交わる世界が  生成されていく光景は  私に「1920年代アメリカ極道事情」の一端と  節約精神を保ちつつ「大作的ムード」を生み出す妙技を  目の当たりにする機会をもたらしました。    (「淡々と後日談を語る」形態を取りながら  教訓劇と怪奇恐怖が入り交じったかのような気配を放つ  幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「アメリカ流講談」の歴史に輝く  堅実作であると言えるでしょう。  暇つぶし映画的サービス精神・反権力・歴史に対する娯楽的目線  凶悪でありながらも庶民的なキャラクター造形によって  後年の極道映画に多大な影響を与えた本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。