映画に感謝を捧ぐ! 「老人と海(1958年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョン・スタージェス監督の「老人と海(1958年版)」に
感謝を捧げようと思います。
アーネスト・ヘミングウェイの同名小説を
もとにして作られた本作は
冒険作家A・ヘミングウェイの作風と
ワン・アイデア映画の技法を共存させることに挑んだ
挑戦的作品であります。
「老人と魚の対決」というシンプルなアイデアが
素朴且つ神秘的な映像・生々しい暴力描写
節度のある状況説明台詞・「海に生きる男の情熱&狂気」へのこだわり
主演男優S・トレーシーの渋みをバランス良く配合するによって
文学的且つスリル&サスペンスのある映画へと変化していく姿は
私に「空間限定映画」の緊張感・冒険映画の醍醐味
「鑑賞者に考えさせる」事による脳機能の強化
人情劇の味わいが平和的共存を果たす光景を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(美しくも淡々とした幕切れが
ハッピー・エンドにも悲劇にも属さない
中立的余韻を放っている点も見逃せません。)
まさに1956年の映画「白鯨」の流れを汲む
文学系冒険映画の雄であると言えるでしょう。
静かなるスリル&サスペンス・立場&種族の壁を越えた友情
哀愁の入り交じったストーリー
技巧的且つ絵画的な映像によって
後年の「ジョーズ」などに通じる道を切り開いた本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。