映画に感謝を捧ぐ! 「クラークス」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はケヴィン・スミス監督の「クラークス」に
感謝を捧げようと思います。
コンビニエンス・ストア&レンタルビデオ・ショップで働く
男二人の1日を描いた本作は
コンパクトにして雄大な軽量喜劇であります。
小さな店の日常を通じて「暴走するお客様意識」
「ストレスがもたらすモラル崩壊」・「日常に潜む危険要素」を
えぐり出したストーリー
渋みのある白黒半映像・軽妙なる音楽
生活感満載の俳優・女優陣が一体となる光景は
私に「素朴なアイデアを小ネタの積み重ねによって光り輝かせる」
「悪ノリ的状況に現実感を与える」
「ドタバタ喜劇の伝統と時代性を巧みに融合させる」妙技を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(明瞭なハッピー・エンド&悲劇に逃避せず
「鑑賞者に想像させる」勇気ある幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに趣味人風味と社会性が入り交じった
「ドタバタ系日常劇」であると言えるでしょう。
K・スミス監督のデビュー作にして
1990年代の気風が生んだ「趣味人映画の台頭」
映像機材の軽量化&娯楽大作志向の凋落が生んだ
「組織に縛られない映画作り」を象徴する作品であると同時に
1970年代の映画界を彩る「反優等生的ストーリー」の継承者である本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。