映画に感謝を捧ぐ! 「ザ・ヒル」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はデビッド・デコトー監督の「ザ・ヒル」に
感謝を捧げようと思います。
突然変異したヒルの大群が巻き起こす
惨劇を描いた本作は
外見以上の風刺性に溢れたモンスター映画であります。
ホラー映画の王道を緩やかに進むストーリー
細切れ的残酷さに満ちた襲撃描写
肉体への過剰なこだわりがもたらす「ポルノ風味」
緊張感の薄い登場人物が
スポーツマンに迫る「薬物依存」の恐怖
学校の隠蔽体質・静かに暴走する個人主義
精神を伴わない「肉体的発達」の空虚
「良心無きテクノロジー」が生態系に与える悪影響を写し出していく光景は
私に「軽量モンスター映画の教材性」と
軽量映画における「キャラクター軽視」の秘めたる効能を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「諸悪の根源」が勝利することよりも
理系の体育会系に対する「負の感情」に戦慄させられる
幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「学校&スポーツ論系モンスター映画」の一翼を担う
珍作であると言えるでしょう。
大人の事なかれ主義・若者の死&薬物に対する「認識の甘さ」が
巨大ヒル以上の恐怖を感じさせる本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。