映画に感謝を捧ぐ! 「女体調教人アマゾネス」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジェス・フランコ監督の「女体調教人アマゾネス」に
感謝を捧げようと思います。
秘密警察に捕らえられ、収容所送りとなった
女性4人の運命を描いた本作は
野性と知性が奇妙なバランスで共存する
ポルノ映画であります。
大衆娯楽のスター的存在「暴力・お色気・反権力」を網羅し
エロ&拷問シーンを見せるための
口実と化したストーリー
「見せたい部分」以外を徹底的に節約する演出&舞台
場違いなまでにユーモラスな音楽
1970年代の「反抗気質」を体現したキャラクター造形が一体となる光景は
私に、趣味と実益を兼ね備えた職業の一形態
娯楽と「サディズム&マゾヒズム」の複雑な関係
女性の精神的強さ&男性の精神的弱さ
「ポルノ映画」が時代を映す鏡の一つであることを
目の当たりにする機会をもたらしました。
(娯楽映画の王道「勧善懲悪」に背を向けて
情けが仇となる方向へと進む幕切れが
1970年代が抱える「無力感&不信感」を体現している点も見逃せません。)
まさに「サスペンス系ポルノ」界の陰鬱なる珍作であると言えるでしょう。
脱獄映画・悪女映画・冒険映画の手法を融合させ
「1970年代気質」という調味料を加え
ポルノ的アイデアの限りを尽くして加工することによって
ポルノ映画に秘められた「反抗精神」と
暴力と性の絆を象徴する作品となった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。