映画に感謝を捧ぐ! 「BATS 蝙蝠地獄」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はルイス・モルノー監督の「BATS 蝙蝠地獄」に  感謝を捧げようと思います。   科学者によって改造されたコウモリの脅威に  立ち向かう人々の運命を描いた本作は  怪奇映画・災害映画・冒険映画の特性を兼ね備える貪欲さと  秘めたる癒し要素に驚かされるモンスター映画であります。  「脅威の正体」が明かされていく段取りを大幅に省略し  早急に決戦へと向かうストーリー  「オペラ」の変化球的活用法  夜行性&小柄という弱点を  組織力・機動力・相手の急所を狙う攻撃法  奇襲によってパニックを誘発する戦術によって補う  「コウモリ」達の勇姿が一体となる光景は  私に、モンスターの暴れぶりに感動する機会  テクノロジー&知識による傲慢化  軍隊・警察・科学者の共闘を阻む「精神的壁」を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (ホラー的幕切れと見せかけて「肩すかし」を喰わせる幕切れが  ブラック・ユーモアと哀愁の入り交じった余韻を与えている点も  見逃せません。)  まさに「ジャンル移動型モンスター映画」の  珍妙なる強豪作であると言えるでしょう。  自然の赴くままに生きたいという思いを無視して「望まぬ力」を与えた上  支配者になろうともくろむ科学者に  一致団結して挑みかかるコウモリ達の姿が  軽量モンスター映画らしからぬ感動を呼び起こす本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。