映画に感謝を捧ぐ! 「クレオパトラ(1934年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はセシル・B・デミル監督の「クレオパトラ(1934年版)」に
感謝を捧げようと思います。
エジプトの女王「クレオパトラ」の生涯を
もとにして1934年に作られた本作は
1963年版とは異なるスケール感と
庶民性を持った「クレオパトラ伝」であります。
古代エジプト&ローマの歴史をメロドラマ風に加工したストーリー
豪華絢爛たる舞台・小道具・衣装
スター的美男美女の俳優・女優陣が一堂に会する光景は
私に、大作的ムードと大衆食堂の味わい・映画性と舞台劇風味
格調高さと見せ場主義が平和的共存を果たす光景を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(歴史大作の王道に即しながらも
娯楽的高揚感を抑制し、感動誘発に依存しない
クールな幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「史劇系愛像劇」の歴史に輝く強豪作であると言えるでしょう。
技巧的な暴力&官能描写の数々と
大衆の興味をそそるポイントを的確に押さえた作劇法によって
ファンタジー性と親近感のバランスに秀でた歴史大作を誕生させ
後年の実話系大作に対する道しるべとなった本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。