映画に感謝を捧ぐ! 「ディープポセイドン」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はマーティン・マンス監督の「ディープポセイドン」に  感謝を捧げようと思います。   潜水艦の回収を命じられた海兵隊チームと  民間企業から派遣された協力者達の運命を描いた本作は  巧妙なる「省力技」に彩られたモンスター映画であります。  「深海&潜水艦」という舞台によって  不鮮明な映像&状況に大義名分を与えるという手法  「感情移入を拒むキャラクター造形」を意図的に行うことによる  「死」の残酷性&悲劇性の緩和  凶暴性を抑制したモンスター造形が一体となる光景は  私に、理不尽なストーリーをリラックスして眺めながら  テクノロジーと理性&良心のバランスを失った事と  均整を失った娯楽的サービス精神がもたらす悲劇に  接する機会をもたらしました。  (「ホラー要素」へのこだわりが暴走する事によって  発生した幕切れが  悲劇と滑稽劇の近似性を写し出している点も見逃せません。)  まさに「脱力系&我慢系モンスター映画」史上屈指の  珍作であると言えるでしょう。  過剰な残酷描写・論理性を無視したお色気  モンスター映画の王道に即しつつ  緩やかに進むストーリー&演出が  鑑賞者の忍耐力&寛容さに挑みかかる本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。