映画に感謝を捧ぐ! 「ファイナル・デッドスクール」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はカルロス・ラモス・Jr監督の「ファイナル・デッドスクール」に  感謝を捧げようと思います。  ネットオークションで「死を閉じこめた箱」を購入した男と  彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は  他の軽量ホラーとは一味違う恐怖を感じさせる作品であります。  ホラー映画史上屈指の「能天気さ」を誇る主人公と  家族至上主義的な「売り主」によってもたらされる災難を    王道的残酷さとブラック・ユーモア溢れる映像表現によって  描くという試みは  私に、ネットオークションにおける「珍品」の危険性  冷静さと無関心の近似性・家族主義の暴走  中世ヨーロッパの暗黒面を  ホラー的に写し出す技法に触れる機会をもたらしました。  (「ファイナル・デスティネーション」シリーズを意識した邦題と  自業自得感満載の幕切れによって  外国産ホラー映画を扱う事の難しさと  説明責任を果たすこと&品物を丁寧に扱うことの重要さを  示している点も見逃せません。)  まさに「道徳教育系ホラー映画」界の  大いなる珍作であると言えるでしょう。  ホラー映画の王道に即しながら  主人公に対する安全保証・表面的な親切心  ビジネス的な最終決戦によってモンスター化する物語が  ネット社会と中世の暗黒面をえぐり出す本作と    生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。