映画に感謝を捧ぐ! 「キングの報酬」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はシドニー・ルメット監督の「キングの報酬」に    感謝を捧げようと思います。
キングの報酬 [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ
2002-02-08

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  選挙アドバイザー「ピート・セント・ジョン」と  彼を取り巻く人々の運命を描いた本作は  1970年代と80年代の間に立つ政治劇であります。  「依頼人の当選」のみを目的とする人々の日常劇から  陰謀劇→良心の回復を描いた人情劇へと進むストーリーを  娯楽的スリル・ユーモア・スピード感の均整を保ちながら  描こうという試みは  私に「選挙戦の舞台裏」・「民主主義の危険要素」  「1970年的反抗心と1980年的陽気さのせめぎ合い」を  娯楽的に表現する手法の一形態に  接する機会をもたらしました。  (世俗的勝利に固執しない「決着の付け方」が  能天気なハッピー・エンドとは異なる  味わい深さを感じさせる点も見逃せません。)   まさに「ジャンル融合型政治劇」の歴史に輝く  一作であると言えるでしょう。  陰謀渦巻く選挙戦の中で人情と不人情・戦術と良心  社会派的メッセージと娯楽的サービス精神が  ぶつかり合うことによって生じる映画的化学反応が  政治のゲーム&ビジネス化現象  S・ルメット監督流と1980年代映画事情の対立  人気商売の宿命を写し出す本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。