映画に感謝を捧ぐ! 「ブラック・セプテンバー~ミュンヘン・オリンピック事件の真実~」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はドロール・ザハヴィ監督の  「ブラック・セプテンバー~ミュンヘン・オリンピック事件の真実~」に  感謝を捧げようと思います。 1972年9月5日に発生した「ミュンヘン・テロ事件」をもとにして  2012年に作られた本作は    暇つぶし系娯楽作と実録の間に立つ実話系映画であります。  「ミュンヘン・テロ事件」と軽量テロ対策映画の手法を  融合させることによって  「テロ対策生成前」の悲劇が鮮明化されていく光景は  私に「物事を映画の題材として捉える」映画人の宿命と  テロとの戦いに「爽快感」など存在しないという苦い現実を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (事件後の「内幕」を曖昧化したかのような幕切れが  実話系映画作りの難しさを写し出している点も見逃せません。)  まさに、日本における「忠臣蔵」の系統に当たる 「軽量アクション&サスペンス映画系史劇」の  一翼を担う作品であると言えるでしょう。  娯楽的サービス精神・資料性・社会派要素の  バランス感覚を保つことの難しさを体現する本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。