映画に感謝を捧ぐ! 「フランケンシュタインの逆襲(1957年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はテレンス・フィッシャー監督の  「フランケンシュタインの逆襲(1957年版)」に感謝を捧げようと思います。  メアリー・シェリーの小説「フランケンシュタイン」を  もとにして1957年に作られた本作は  上品さと下世話性が交錯するモンスター映画であります。  「フランケンシュタイン」の世界に  サスペンス・愛憎・舞台活劇を加えることによって  生成されたストーリー&演出は  私に、見世物小屋魂と品格のバランスを保ちながら  モンスター映画の王道を行く光景と  貴族社会の暗部を大衆食堂的に写し出す技法の一端を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (小道具の見せ方と色彩によって  「主人公の末路」を鑑賞者に想像させる  文学的な幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「ヨーロッパ風怪談」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。  怪奇俳優C・リーの静かなる怪演と  彼を取り巻く怪しくも品のある俳優・女優陣  貴族趣味と猟奇趣味に溢れた小道具・舞台・衣装が交わることによって  他の「フランケンシュタイン」系作品とは異なる妖気&恐怖を放つ本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。