映画に感謝を捧ぐ! 「脱出(1944年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はハワード・ホークス監督の「脱出(1944年版)」に  感謝を捧げようと思います。 アーネスト・ヘミングウェイの小説「持つと持たぬと」を  もとにして1944年に作られた本作は  A・ヘミングウェイ&H・ホークス監督の男気&サービス精神  政治的メッセージが融合した異色の戦争映画であります。  アクション・サスペンス・ロマンス・スター映画性を総動員する  娯楽的サービス精神と  第2次大戦におけるアメリカの「選択」を  先取りするかのようなストーリーが  一体となる光景は  私に「娯楽映画の持つ宣伝性」と  「極道映画と戦争映画の秘めたる近似性」を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (「戦争映画ムード」を高揚させた後    西部劇と恋愛映画を融合させたかのような幕切れへと  着地するという大胆さを持った作品であるという点も見逃せません。)  まさに「大衆娯楽型史劇」の一翼を担う作品であると言えるでしょう。  1943年の映画「カサブランカ」の流れを汲みつつ  H・ボガード&L・バコール+H・ホークス監督の  名トリオ誕生を生んだ本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。