映画に感謝を捧ぐ! 「肉屋(1998年版)」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアウレリオ・グリマルディ監督の「肉屋(1998年版)」に
感謝を捧げようと思います。
美術館の女性スタッフ「アリーナ」の奇妙な運命を描いた本作は
静かなる野性を感じさせる女性映画であります。
愛憎劇+ポルノ+ホームドラマの衣を纏いながら
食餌療法と性衝動・クラシックと性行為を
結びつけていくという手法は
私に、生命体の2大欲求「食欲&性欲」についての一考察と
肩すかし的作劇法がもたらす「先の読みづらい状況」を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(「背徳的性行為による人間関係の変化」を
ほとんど感じさせない穏やかな幕切れが
静かにして苦い「ブラック・ユーモア」を感じさせる点も
見逃せません。)
まさに「官能系野性論」の一翼を担う珍作であると言えるでしょう。
ホラー的表現法・アイドル映画要素・ポルノ的性描写を融合させ
人間の動物性を穏やかにえぐり出す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。