映画に感謝を捧ぐ! 「チザム」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はアンドリュー・V・マクラグレン監督の「チザム」に  感謝を捧げようと思います。
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ワーナー・ホーム・ビデオ
2013-09-04

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1870年代のニュー・メキシコ州で繰り広げられた  「リンカーン郡戦争」をもとにして作られた本作は  史実と正統派西部劇の伝統がせめぎ合う実話系西部劇であります。  実在の人物&抗争を「勧善懲悪西部劇&J・ウェイン主演作」の公式に  合わせて加工することによって生を受けた  ストーリー・演出・キャラクターが勢い任せに突き進む光景は  私に、1970年代のアメリカ映画界を覆う  「西部劇衰退の波」に抗う人々の思いと  娯楽系歴史小説&我慢劇の醍醐味を目の当たりにする機会をもたらしました。  (歴史を「勧善懲悪の枠」に押し込めたまま  決着→幕切れに向かう勇気によって  後年の「イングロリアス・バスターズ」に通じる道を  切り開いた点も見逃せません。)  まさに「アメリカ流講談」後期を彩る  激しくも哀しい一作であると言えるでしょう。  東映任侠路線を思わせるようなストーリー展開と  正統派西部劇ならではの明瞭さ&スケール感を感じさせる風景が  アメリカ開拓史の分岐点に立たされた男たちと  アメリカ西部劇の衰退期に直面した  「A・V・マクラグレン監督&J・ウェイン」の思いを写し出す本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。