映画に感謝を捧ぐ! 「パパってなに?」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はパーウェル・チュフライ監督の「パパってなに?」に  感謝を捧げようと思います。
パパってなに? [DVD]
コムストック・グループ
2001-06-25

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1950年代のソビエトで暮らす母子と偽軍人の  運命を描いた本作は  冷たくも和やかなロシア&フランス製子供映画であります。  泥棒映画・ホームドラマ・道中劇を融合させながら  静かに進行していくストーリーと  暴力&犯罪・性行為・愛憎を  日常劇の手法で表現する演出法が一体となって  「スターリン時代」の一角を写し出す光景は  私に「史劇と人情劇の平和的共存」と  「大人社会が子供に与える影響」を娯楽的盛り上げ・感動誘発・説教的描写に  依存することなく描く技法の一端を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (死と不信の香り漂う「通過儀礼」を冷徹なまでの穏やかさで表現した幕切れが  「人生の残酷さ&奥深さ」を体現している点も見逃せません。)  まさに「陰鬱系子供映画」界の静かなる強豪作であると言えるでしょう。  穏やかな凶悪さを感じさせる物語+寒々とした風景&登場人物によって  「時代&子供心を映す鏡」の一つとなった本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。