映画に感謝を捧ぐ! 「STAG/スタッグ」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はリック・ベビン監督の「STAG/スタッグ」に
感謝を捧げようと思います。
スイスの鉱山で巨大昆虫と遭遇した
男女の運命を描いた本作は
皮肉の香りに満ちたモンスター映画であります。
犯罪映画と冒険映画を兼ね備えた状況に
モンスターを介入させたストーリーと
TVゲーム感覚溢れるアクション・シーンが一体となる光景は
私に、モンスター映画の王道・「コンピューター・ゲーム世代」の感性
教訓劇要素が残虐且つ緩やかに融合していく現象を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(ハッピー・エンドの形態を取りながら
人間の欲望に翻弄されたモンスターの悲劇を
感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「教訓系軽量モンスター映画」史上屈指の
ブラック・ユーモア性を放つ怪作であると言えるでしょう。
勧善懲悪的なモンスターの暴れぶりと
欲望と猜疑心によって自滅していく人間達の姿が
自然の雄大さと物質文明の暗部を写し出す本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。