映画に感謝を捧ぐ! 「白い花びら」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアキ・カウリスマキ監督の「白い花びら」に
感謝を捧げようと思います。
ユニタ・アホの小説「Juha」をもとにして作られた本作は
ファンタジーと現実の間に立つ恋愛悲劇であります。
「異文化交流&男女の精神的相違点」がもたらした悲劇を
愛憎劇風に描いたストーリー
サイレント映画の技法・場の空気に応じた音楽
庶民的ムード満載の俳優・女優陣が一堂に会することによって
A・カウリスマキ監督作特有の「穏やかな陰鬱」と
物語の悲劇性が鮮明化されていく光景は
私に「映像と音楽で語る」醍醐味・文学的ムードと大衆性の融合
愛情の持つ暴力性を目の当たりにする機会をもたらしました。
(東映任侠路線・ホラー映画・恋愛悲劇の味わいを
絶妙のバランスで配合した幕切れとなっている点も見逃せません。)
まさに「陰性恋愛童話」系映画界の
静かなる強豪作であると言えるでしょう。
説明的表現&熱演に依存しないクールな精神と
白黒&サイレントの持ち味を有効活用する技術が
静かなる感動と恐怖を呼び起こす本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。