映画に感謝を捧ぐ! 「アメリカン・バーガー」

映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はヨハン・ブルマンダー&ボニータ・ドレイク監督の  「アメリカン・バーガー」に感謝を捧げようと思います。  ヨーロッパの一角で奇妙な殺人集団と遭遇した  若者達の運命を描いた本作は  悪食的なユーモアが軽やかに暴走するホラー映画であります。  残酷描写・青春映画的キャラクター・食品の産地問題  アクション映画的表現法を集結させ  悪趣味精神溢れるブラック・ユーモアに仕立て上げようという試みは  私に、悲劇と喜劇の近似性・バラエティ番組的小ネタの暴走  論理性を抑制することによって「先読み困難」なストーリー展開が  生成されていく現象を目の当たりにする機会をもたらしました。  (壮絶なる馬鹿馬鹿しさによって  「社会&運命論」の領域に達した決着の付け方と  凶悪さでありながらも微笑ましさを感じさせる  後日談~エンドロールとなっている点も見逃せません。)  まさに「食人系ホラー・コメディ」史上屈指の  陽気な怪作であると言えるでしょう。    ホラー映画の定番にドタバタ喜劇&社会派を加え  バランスを気にすることなく進行していくストーリー  場違いなまでに技巧的&情緒のある映像表現・能天気な挿入曲によって  ある種の癒しと風刺を放つ本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。