映画に感謝を捧ぐ! 「ファイナル・サンクション」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はジョン・ターレスキー監督の「ファイナル・サンクション」に
感謝を捧げようと思います。
アメリカの非公式諜報機関の陰謀に立ち向かう暗殺者
「ジーナ」の運命を描いた本作は
1990年代のスパイ事情と娯楽映画の図式を
和やかに体現したアクション映画であります。
巻き込まれ映画&スパイ活劇の定番に
冷戦構造の崩壊がもたらした「諜報機関の混乱」を融合させ
状況説明を極限まで抑制したストーリー
アクション映画の定番を押さえつつ
緩やかに表現されたアクションシーン
スパイ映画の男女関係を逆転させる事によって
生を受けた主人公チーム
極道映画風味漂う敵役が
暇つぶし規模のスリル&サスペンスと
苦味に溢れた時間をもたらすという現象は
私に「スパイ映画」と世界史を繋ぐ絆と
性別&スピード感が娯楽映画に与える影響を
目の当たりにする機会をもたらしました。
(娯楽的高揚感を意図的に抑制した静かな幕切れが
スパイ活動と活劇的アクションの相違点を
体現している点も見逃せません。)
まさに堅実にして珍妙な「戦闘系ヒロイン映画」で
あると言えるでしょう。
スパイ映画の伝統に従いつつ
1990年代の潮流を乗りこなすバランス感覚
ロマンス・情緒・盛り上がりを最小限度にとどめた
無愛想且つスリムな物語
コミック&ゲーム感覚溢れる戦闘場面が冴え渡る本作と
生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。