映画に感謝を捧ぐ! 「マイヤーリング」
映画弁護人GHM(西村哲也)です。
今回はアナトール・リトヴァク監督の「マイヤーリング」に
感謝を捧げようと思います。
クロード・アネの実話系小説「うたかたの恋」を
もとにして1957年に作られた本作は
複数文化が融合する実話系恋愛悲劇であります。
舞台的手法を取りつつ、映画的特性を生かした
ストーリー・演出・キャスト・舞台&衣装によって
下世話性と優雅さが融合した世界が生成されていく光景は
私に「文化交流&先読みしやすい物語の醍醐味」を味わいながら
覗き見精神と文学性の秘めたる近似性に接する機会をもたらしました。
(時の倫理規定に従って用意された幕切れが
ある種の神秘性を醸し出している点も見逃せません。)
まさに「娯楽文化融合系心中劇」の称号にふさわしい
作品であると言えるでしょう。
舞台芝居の香り漂う口上&章分け法と
悲劇的な実話をスター映画的に加工する作劇法によって
後年の映画界に影響を与えた本作と
生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。