映画に感謝を捧ぐ! 「サバイバル・ドライブ」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回はイアン・ソフトリー監督の「サバイバル・ドライブ」に  感謝を捧げようと思います。  山中でのエンジントラブルから始まった  惨劇を描いた本作は  逆境に挑む精神に驚かされる「巻き込まれサスペンス」であります。  「物語の大半が会話&一人芝居」・「動きを封じられたヒロイン」  「登場人物の背景描写&殺人を極限まで抑制する」という  映画向きでない設定を  1980~2000年代のサスペンス&ホラー技法を  使い分けることによって補うという挑戦は  私に作り手の創意工夫とヒロインの奮闘が  重なって写る感覚と  善意に潜む危険要素・冷静に対応することの大切さ  危機によって目覚める野性を娯楽的に表現する手法の一端を  目の当たりにする機会をもたらしました。  (アメリカ映画的ハッピー・エンドの形態を取りながら  不吉な気配を放つ幕切れとなっている点も  見逃せません。)  まさに「ハンディキャップ・マッチ・サスペンス」界屈指の  善戦作であると言えるでしょう。  「ヒッチャー&ジャッカー」・「リミット」・「クジョー&SAW」の特性を  組み合わせる知略  会話重視の形態を取りながら「台詞による状況説明」を  避ける勇気  娯楽的スリル&サスペンスよりも「サディズム風味」に  こだわる趣味人精神が  躍動感を封じられた物語の中で輝く本作と  生きて映画を見ることのできる幸せに深い感謝を!!!。