映画に感謝を捧ぐ! 「くちづけ(1957年版)」

 映画弁護人GHM(西村哲也)です。  今回は増村保造監督の「くちづけ(1957年版)」に  感謝を捧げようと思います。   川口松太郎の同名小説をもとにして作られた本作は    硬軟のバランス感覚に長けた恋愛映画であります。  恋愛映画の王道・アクション映画的映像  ヨーロッパ映画アウトロー風味・日本的情緒が  互いの持ち味を生かしながら軽やかに進んでいく光景は  私に「異文化&複数ジャンル交流」の醍醐味と  厳しい状況にあっても情&ユーモアを失わない人間の輝きを  目の当たりにする機会をもたらしました。  (アメリカ映画的ハッピー・エンドに属しながらも  クールさを感じさせる幕切れとなっている点も見逃せません。)  まさに「和製軽量恋愛映画」の静かなる強豪作であると言えるでしょう。  増村保造監督の初監督作にして    不良性と健全性・軽快さと人情味が平和的に共存する  類い希なる恋愛映画である本作と  生きて映画を見ることの出来る幸せに深い感謝を!!!。